大嫌いで大好き

――人間って、
……何で、こんなに弱いんだろう。

あー、もう３年も経つですか。
どうりであいつの顔が思い出せなくなったわけですよ。

覚醒したばっかりで「幻視」なんて知らなかったんだから。
だからって、「バケモノ」は酷すぎるです。

この国は冷たすぎるのです。
気候も、人間も。
この国で、リズを人間として見てくれる奴なんて、じっちゃんとばっちゃん、姉ちゃんと、

……あいつ、ぐらいでしたね。

同属でもないのに、あいつは随分変わり者だったです。
そりゃそうですねー。
「喰われて殺される」相手に、好き好んで近づく奴なんていないですから。

本当のリズ達を知らないで、勝手なこと考えやがるです。
リズ達が牙を向けるのは、人間に牙を向ける奴だけなのに。

……まぁ、今となっては、
あいつの言葉も、分からないでもないですが。

いつそっちに行くかはリズも分からないですが、首洗って待ってるですよ。
地獄の何処にいようが、探し出してやるですから。

「本当のリズ」を見てくれる、リズの居場所と仲間。紹介しないとです。

まぁ、あいつの事なので天国かもですがー。




サーシャ：……リゼットちゃん……。

リゼット：まぁ、あいつしぶといのでまだ生きてるでしょうがー。

サーシャ：Σえぇえええ！？！？

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